フォークリフトの荷重表は、安全かつ効率的な運転に不可欠です。この表を理解することで、荷崩れや転倒などの事故を防ぎ、リフトの能力を最大限に引き出すことができます。この記事では、荷重表の読み方と応用について詳しく解説します。
フォークリフト荷重表の例
フォークリフト荷重表の例
荷物の重心と荷重への影響
荷物の重心とは、荷物の重量が地面に対して垂直にかかる点です。標準的なパレットに梱包された荷物の場合、重量は均等に分散され、重心は通常、パレットの長辺の中央、フォークリフトの爪と平行な位置にあります。
例:1200x1200mmのパレットの場合、重心は600mm(長辺の1/2)の位置になります。ただし、形状が不規則な荷物の場合は、重心の特定がより複雑になるため、安全を確保するために慎重に検討する必要があります。
パレット上の重心の図解
パレット上の重心の図解
フォークリフトの仕様には、通常、標準的な重心位置での最大荷重が明記されています(例:3トンフォークリフト – 重心500mm)。荷物の重心がこれよりも大きい場合(かさばる、または長い荷物)、実際の荷重能力は低下します。
重心位置に応じた最大荷重の計算
安全な荷重を計算するには、物理的なバランスの原則を適用する必要があります。つまり、フォークリフトのモーメントの合計は、荷物のモーメントの合計と等しくなります。
計算式:
荷物の重量 x (L1 + L2) x 安全率 = フォークリフトの重量 x L3
ここで:
- L1:荷物の重心
- L2:荷物の内側の端から前輪軸までの距離
- L3:前輪軸からフォークリフトの重心までの距離
- 安全率:通常は1.2
例: 3.5トンフォークリフト、重心500mmで、2000x2000mmの荷物(重心1000mm)を持ち上げる場合。上記の計算式を適用すると、安全な荷重は約2.3トンになります。
フォークリフト荷重表の読み方
各フォークリフトにはネームプレートがあり、荷物の重心位置に応じて荷重がどのように変化するかを示す荷重表が明確に記載されています。この表を使用すると、複雑な計算をしなくても、オペレーターは安全な荷重をすばやく判断できます。
フォークリフトのネームプレートの例
フォークリフトのネームプレートの例
読み方: 横軸は重心位置、縦軸は荷重を示します。荷物のサイズに基づいて重心位置を特定し、表を参照して対応する荷重を見つけます。
結論
フォークリフトの荷重表は、安全かつ効率的な運転に役立つ重要なツールです。この表の読み方と応用を理解することで、オペレーターは事故を防ぎ、作業効率を最適化することができます。荷物を持ち上げる前に必ず荷重表を参照し、絶対的な安全を確保してください。