ベトナムでは、道路の補修・改良に再生アスファルト剥離技術が広く応用されています。本レポートでは、この技術の試験結果と応用事例をまとめ、特にトラック輸送に不可欠な道路の補修に焦点を当てます。
試験された常温再生アスファルト剥離技術:
- Hall Brothers (米国) の改良乳剤を使用した技術: QL1A (ロンアン省) での試験では、19ヶ月後にアスファルト舗装に網状のひび割れが発生しました。主な原因は過積載です。QL5の第9入札パッケージでは、この技術を再生深度20cm、結合材としてセメント+改良乳剤を使用して採用しました。6ヶ月後の結果では、路面の弾性係数が設計値よりも大きく、平坦でしたが、一部の箇所で沈下や局所的な縦方向のひび割れが発生しました。
ロンアン省におけるQL1Aでのアスファルト舗装の網状ひび割れ
- Wirtgen (ドイツ) の発泡ビチューメン+セメントを使用した技術: QL1A (ホーチミン市12区) で、剥離深度25cm、結合材として発泡ビチューメン+セメントを使用して試験しました。16ヶ月後、走行跡に沿って縦方向のひび割れ、一部区間で網状のひび割れが発生しました。原因は、アスファルトと再生層間の接着不良、交通量の多さ、過積載が考えられます。QL5の第10入札パッケージでは、この技術を再生深度22cmで採用しました。6ヶ月後の結果では、弾性係数が設計値よりも高く、路面は平坦で、ひび割れや沈下は見られませんでした。
ホーチミン市12区におけるQL1Aでのアスファルト舗装のひび割れ
- Sakai (日本) のセメントを使用した技術: 省道417 (ハノイ市) およびQL1A (ハナム省) で、結合材としてセメントまたはセメントと乳剤の組み合わせを使用して試験しました。結果として、再生層の有効厚さが低く、わだち掘れが発生し、再生層の品質にばらつきが見られました。この技術は、広く適用する前に、さらなる試験が必要です。
ハノイ市における省道417での試験の様子
常温再生の利点:
- 材料費を節約し、新規舗装よりもコストを削減。
- 迅速な施工が可能で、交通への影響を軽減。
- 既存の材料を再利用し、環境を保護。
- 路面の品質を向上させ、寿命を延ばす。
結論:
常温再生アスファルト剥離技術は、ベトナムにおける道路の補修・改良に効果的なソリューションであり、トラック輸送を支える交通インフラの確保に大きく貢献します。各道路の具体的な条件に合わせて適切な技術と結合材を選択することが、建設の品質と効率を決定する重要な要素です。この技術をより広く効果的に応用するために、技術的なプロセスを継続的に研究し、改善する必要があります。